人材育成の話でよく「人は褒めて育てる」方が良いなんて記事をよく見ます。その内容を読んでいると、叱らず褒めろ的な内容になっていますよね。
でも本当にそれでよいのでしょうか?
このご時世、パワハラ、セクハラ、〇○ハラ流行りですから、叱ると何が起こるかわからないから叱らず褒める方に比重が高まっている気もします。
そんな事を考えていたら小西史彦が雑誌のダイヤモンドで私にとっては的を得ている内容をお話している記事を拝見することが出来ました。https://headlines.yahoo.co.jp/article?a=20180127-00155614-diamond-bus_all&p=1
小西さん曰く『「相手の長所を刺激して、待つ」。これが私の「人の育て方」でしょうかね。』と語っておられました。
まさしくその通りだと感じます。
部下は自分より下ではなく対等の立場であり上司はそんな部下を笑顔にさせる責任者であるのだと思えるのです。
どうしても、出世をすると上から目線の人が多くいます。その上からの目線で人を育てようとすると役割を押し付けたり、強がったりとなります。でも、それでは人は育ちません。そして、〇○ハラが怖いからと媚びるように褒めて育てようとしても人はやっぱり育ちません。
どんな人でも長所や短所があるのですから、長所を伸ばしてあげることを優先して行くべきなのです。
短所については、自分で気づいていない人もいます。その気づいていない部分を気づかせ、伸ばす方法をさりげなく伝えていく事によって短所も長所に改善することも可能です。
ですから、階段を上がっていくという事は人を理解し、笑顔にして挙げられる素質が求められるのだと思うのです。
かと言って、笑顔にする方法は叱ることによっても可能だと私は思っています。
イラストのような方法は昔の叱り方。戦後の軍隊式組織では当たり前にありましたが現代ではありえませんね(笑)
では、現代の叱るとは何かといえば、人の醜さが出た時に行う方法だと思うのです。
例えば「責任から逃げる」「責任を他者に擦り付ける」「嘘をつく」等人としてあってはならない行為の事を指すと私は思います。人としての醜さは自分でもある程度認識しています。認識しているのに出てしまう醜さ。その場合は叱らなくてはなりません。あえて叱らなければ「逃げられる」と安どしてしまい、次も同じことをしてしまう可能性が高まります。
人は弱いものです。強い人なんてこの世にいないと私は思います。だからこそ、その弱さを強さに変えてあげる愛情が叱るという行為ではないでしょうか。
育てる行為は何も子供を育てるだけではありません。大人になったって心は弱い。判っていても逃げたくなるのが人間だと思います。
そんな弱い人間を育て、業績を上げていかなくてはならないのも企業。
良い大学を出て、偏差値が高く若くして課長、部長になる方が大企業ではおりますが、そもそもその方が人の弱さを理解できるのでしょうか?そして、人の弱さを見据えた人の育成が出来るのでしょうか?
何も若くして課長、部長になった人を否定をしているのではありません。数字に強かったり、分析能力が高かったり、企画書が上手だったりと企業人としてのスキルが高いだけで上に上がることに私は危うさを感じているのです。上にあがるスキルは、人を育てるスキルが一番重要な要素だと思っています。
軍隊式の良さは育てる意識より人を動かすスキルが必要でした。企業の上層部が考えた通りに効率よく動きさえすれば結果が出たのですから。でも、今は一人一人が考え企画し結果を出していかなくてはなりません。
その為には上層部というよりも身近な上長が人を育て主体的に動ける人財を生み出していかなくてはならない時代になってしまったのです。
世の役職者の皆さん!! 自分自身の心を磨き、人を見る目を養い、笑顔を創造できる上長になってください。その行為がこの社会全体に笑顔を創り出すのですから。