東京の桜は散りました。でも、東北の各地域はこれから桜色に染まっていきます。
今日は盛岡でお仕事をしてきたのですが、盛岡の見ごろは4月20日過ぎだという事です。
桜の季節は終わってしまったというもの寂しさがあったのですが、その言葉を聞くと少し楽しげな心に戻る自分が居ます。やっぱり日本人の私は桜が好きなんだと改めて感じる日となりました。
そんな桜の開花話をしていてふと感じたのが、盛岡城と弘前城。
全く関係ないように思うかもしれませんが、盛岡城や弘前城に桜は咲くのですが、天守は弘前城にしかありません。なぜなんだろうと考えていると、桜の話を教えてくれた方が「南部藩の盛岡城は負けた側で津軽藩の弘前城は勝った側だからですよ」とのこと。
なるほど!確かに、戊辰戦争で勝利した側の天守は残っていて、敗北した側の天守は取り壊されています。つまり、盛岡城に天守がないのはその為。歴史好きの私としたことが単純な理由も思い出さないとは情けない(笑)
それでも、どちらにも美しい桜は咲いてくれるんですがね。
改めて言うのも変ですが、戊辰戦争は江戸幕府側と薩長側が戦った戦争。明治維新を成し遂げた戦です。盛岡城のある南部藩は奥羽連合として薩長と闘った側なので敗北の歴史があります。敗北の歴史があるにもかかわらず、多くの賢者を輩出し原敬という藩閥の時代の中で総理大臣まで輩出した土地柄。そんな歴史を読み解いていると、桜の花も誇らしく咲き誇るんだろうなと感じてしまいます。
もし、桜をもう一度見たい関東以西の方がいらっしゃったら是非20日ごろ盛岡へ行ってみてください。敗者の誇りを感じる勇壮な桜を見ることができるかもしれませんよ。そして、弘前城の桜はGWが見ごろとのこと。まだまだ桜は楽しめますので、東北へ行きましょう!・・・千葉県人の私が言うのも変ですが(笑)
ところで、最近感じるのが「観光立国を目指す日本として天守の力は必要だよね」ということ。最近地方に仕事に出かけるとその事をつくづく感じてしまいます。石垣があっても天守がないとちょっとつまらないのが本音です。
東京や大阪など大都市圏は天守などなくても多くのコンテンツがある為に海外の方に受け入れてもらえるのですが、地方都市にこれといったコンテンツが見当たりません。ディズニーっぽく表現するとシンボルとなるシンデレラ城が無いとつまらないと感じてしまうのです。
確かに食、文化などはあります。でも、その食や文化の象徴となるシンボルがありません。もし、盛岡城に天守があれば、南部藩に繋がり、南部藩の文化である食や祭り、産業などに目が行きコンテンツとして輝きだすように思うのです。
ひとつのシンボルがあると、連鎖が起き、既に存在するコンテンツに繋がったいき知的好奇心が生まれ、その土地へ行きたいという欲求になるんではないでしょうか?
東北の敗者の代表格に会津藩があります。でも、周りの方の努力により会津城には天守があります。その天守が燃えるのを見て散っていった白虎隊に思いを馳せ、その心意気を育んだ会津の文化に興味を持ち、人々は会津へ観光に向かうのではないでしょうか。
今日は、桜の話から天守になってしまいましたが、いまだにどこの藩だったかでいがみ合っている地域があります。江戸時代は歴史の遠くへ行っているようで現代の人々の感情に残っています。だからこそ、地方が活気だすためにも天守の復活が必要なのではないかと感じ書かせていただきました。歴史好きの私のあくまでも個人的な意見ではありますが、地域の活性化、観光事業を考えている方の一つのアイデアになれば幸いです。
最後に、江戸城にも天守、松の廊下復活して欲しいです。特に松の廊下は立て看板だけですからね。つまらないです(笑)