先週の朝ドラ「なつぞら」のワンシーン。泰樹の言葉にツイッター上で多くの方が賞賛を讃えています。
改めてその台詞を振り返ってみましょう。
「ちゃんと働けば必ずいつか報われる日が来る。報われなければ働き方が悪いか、働かせる者が悪いんだ。そんなとこはとっとと逃げ出せば良いんだ。だが一番悪いのは、人がなんとかしてくれると思って生きる事じゃ。人は人をあてにするものを助けたりはせん。逆に自分の力を信じて働いていればきっと誰かが助けてくれるんだ」
皆さんはこのシーンを観ていましたか?前後の物語が分からないと理解出来ない部分もあるとは思うのですが、この台詞を読み返してみると、自分の仕事に対する考え方、姿勢を見直すきっかけになると思うのですが、いかがでしょう。
私ごとで恐縮ですが、この台詞を聞いたとき幼い頃祖母が教えてくれたことを思い出し懐かしい気持ちになりました。
私の祖父、祖母は明治生まれです。ですから、すでにこの世にはおりません。でも、祖母との思い出は数限りなく私の記憶の中に残っています。
昔では珍しく私の両親ともに仕事をしていたものですから、幼い頃はいつも祖母と過ごしいろいろな話を聞かせてくれました。
このなつぞらの泰樹の台詞の中の「ちゃんと働けば必ずいつか報われる日が来る。報われなければ働き方が悪いか、働かせる者が悪いんだ」なんて事はよく言っておりました。ですから、サラリーマン時代、会社の悪口や上司の悪口を酒の力で憂さを晴らす盛り場の雰囲気は正直好きではありませんでした。
「そんなに嫌なら辞めればいいじゃない」なんて心の中で叫びながら酒に付き合う程身体に悪い酒はありませんものね。
「一番悪いのは、人がなんとかしてくれると思って生きる事じゃ。人は人をあてにするものを助けたりはせん。逆に自分の力を信じて働いていればきっと誰かが助けてくれるんだ」
まさにこれって、明治の男気を感じませんか?・・・私だけ?・・・この台詞は今の私の心の奥に突き刺さった言葉になりました。
そうなんですよね。明治の人間は人を頼りにせず、自分を信じ自分の力で国を前に進めるエネルギーがあったんですよ。少なくとも私の祖父、祖母はこの生きる力を幼い私に教えてくれていました。
でも、それを忘れ自信をなくし、うじうじと小さな殻から抜け出せずにいる自分がいる。昔教えてもらったのに、今改めてテレビドラマの中の台詞に教えを請うている自分がいるんですね。
明治、大正、昭和、平成そして令和へ時代が変わり、その中に生きている人間の心が変わる。変えるべきものは変わって生きなくてはなりませんが、時代は移っても変えてはいけない普遍的な生き方があります。
この台詞は、祖父祖母を思い出させてくれたのと同時に、普遍的な生き方も思い出させてくれた素敵な言霊でした。