本日平成最後の日となりましたね。本日1日は何とも厳かで明るい1日だった気がします。平成天皇とのお別れに少しセンチになるものの、希望、夢を感じる1日でありました。
思い返してみると、昭和から平成の移行日は、昭和天皇が崩御し新天皇への移行するという1日でしたから、どこか物悲しく、どんよりした気分の方が勝っていたと記憶しています。
このような希望、夢を持てた1日になったのも、平成天皇が生前退位を希望されたお陰であり、これまで象徴としての新しい天皇像を作ってこられた結果だと感じます。
昭和天皇は、私の祖父の世代、平成天皇は父の世代。そして、昭和天皇は現人神から人間となられた方。平成天皇は国民の象徴である人であることを最初から感じさせてくれた方でもありました。
今から30年前、最初に平成天皇のお言葉をテレビで聞いた時、昭和とは違う時代になったのだと感じさせてくれたことを思い出します。なぜなら、子供の頃聞いていた昭和天皇の言葉は、「朕思うに」「皆が」とどこか一段も二段も上の方から賜るような言い方だったのですが、平成天皇は、「私たち皇室が国民の皆さんに」と自ら段を降り、国民の目線、言葉を掛けてくれたからです。
私の世代からするとたったこれだけの言葉の違いかもしれませんが、大きな時代のうねりを平成天皇が動かしていると感じた瞬間でもありました。
そして、テレビで何度も何度も流している被災地での膝を折って話を聞く姿。昭和天皇・皇后にはない国民と同じ舞台で語り合う姿に驚きを通り越して、尊敬の念を抱く様になっていきました。
そんな敬愛すべき天皇が退位される日の今日は、私にとっても大きな節目の1日でもあったと感じています。
ところで、被災地慰問で膝をついて被災者の言葉に耳を傾け、被災者の立場でお言葉を発するようになったのは、美智子様が発案し行ったとお聞きしました。
また、元気づける言葉も「頑張れ!」ではなく、「大変でしたね」「元気でお過ごしくださいね」など被災者の立場に寄り添う普通の言葉を選び語られたのも初めてだったようです。
実は、昔から美智子様の行い、言葉、詩を見聞きする度、私はなぜか胸の奥が熱くなり、涙が出そうになります。何気ない言葉なのに、普通の行いなのに、なぜかいつもそうなってしまうのです。
まるで、菩薩様に抱かれる赤子のような心地良さに襲われてしまいます。
昭和天皇は現人神が人となったのだとしたら、平成天皇・美智子妃殿下は人の心に宿るとされる本来の神の御心が隠れることなくこの世にお出でになっている方なのかもしれません。
人は、本来神が心に宿って産まれてくると言います。しかし、生きている過程においてフィルターがかかり、曇り、心の奥底にその御心が隠れてしまわれるようです。
そのフィルターに曇りも何もないまま、日本の象徴として天皇・皇后両陛下。象徴という重責を30年間勤められてきたお二人には敬愛の念しかありません。
多くの天災が見舞われた平成という時代にこの両陛下で本当に良かった。この両陛下だったからこそ、戦争もなく進化進歩し、「思いやり」「おもてなし」「日本文化」が世界に発信できたのだと感じています。
さて、平成も本日で終わります。神の御心を宿ったまま生きてこれている天皇陛下が退位される日、新しい世の中令和が日本国にとってさらに平和で輝かしき国になるよう祈りつつ、自分自身も進化せねばと思わせてくれた1日でもありました。